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「備蓄品として食料を揃えたいが、何をどれだけ用意すればいいのか分からない」——総務・BCP担当者からよくいただく相談です。
食料は種類が多く、量の考え方も曖昧になりがちなため、必要以上に買い込んで管理が破綻したり、逆に量が足りず形だけの備蓄になったりするケースが少なくありません。
本記事では、必要量の算出方法から種類別の特徴比較、選定・管理の注意点までを実務目線で解説します。
内閣府が公表している事業継続ガイドライン(令和5年3月改定)では、業種・規模を問わずすべての企業・組織を対象に、平常時からの備えを含む事業継続マネジメント(BCM)の必要性が示されています。
また、東京都をはじめとする一部自治体では、帰宅困難者対策として事業者に対し、従業員向けに3日分程度の食料・水の備蓄を促す条例が定められています。
これらを踏まえると、まずは「3日分」を一つの目安として備蓄量を検討し、拠点の立地リスクや業種特性に応じて上乗せを検討するという進め方が現実的です。
食料備蓄というと、まず「何食分あるか」という総数に目が向きがちですが、実務上つまずきやすいのはむしろ中身の設計です。
カロリーが偏った品目ばかりを揃えてしまう、調理に水や熱源が必要な商品ばかりで停電時に使えない、といった事態は珍しくありません。
量を確保することと、実際に災害時に機能する中身であることは、分けて考える必要があります。
一般的に、成人一人が1日に必要とするエネルギー量は2,000〜2,500kcal程度とされ、1日3食を目安に備蓄量を設計する企業が多く見られます。
3日分であれば一人あたり9食、1週間分を想定する場合は21食が基本の目安です。
ただし、これはあくまで目安であり、業種や勤務形態(交代制勤務の有無など)によって在館人数の変動を考慮する必要があります。
必要食数を規模別に整理すると、次のような目安になります。
| 従業員規模 | 3日分(9食/人)の必要食数 | 1週間分(21食/人)の必要食数 |
|---|---|---|
| 30名規模 | 約270食 | 約630食 |
| 100名規模 | 約900食 | 約2,100食 |
| 300名規模 | 約2,700食 | 約6,300食 |
来訪者対応が必要な店舗や、地域住民の受け入れを想定する自治体施設では、この目安数量に一定の余裕を加えて検討する傾向にあります。
アルファ米は水またはお湯を注ぐだけで喫食できる乾燥米で、軽量かつ保存期間が5年程度と長いものが多く、企業備蓄の主力品目として選ばれる傾向にあります。
パックご飯はそのまま常温でも食べられる製品が多く、調理の手間を最小限にしたい場合に適しています。
カレーや惣菜類のレトルト食品、缶詰は味のバリエーションが豊富で、日常的な試食のハードルが低いという利点があります。
一方で、種類によっては温めなければ美味しく食べにくいものもあるため、常温でもそのまま食べられる商品かどうかを確認しておくことが重要です。
調理・加水が一切不要な乾パンやビスケットは、水の確保が難しい状況でも喫食できる点が最大の強みです。
保存期間も5年前後と長く、初動対応用の備蓄として一定数を確保しておくと安心です。
ただし、水分を含む食品に比べて喉が渇きやすいため、保存水とセットで備えることが前提になります。
アルファ米をはじめ、多くの備蓄食料は調理・喫食に水を必要とします。
食料の備蓄量だけを充実させても、水が不足していれば十分に機能しません。
一人1日3リットルを目安に、食料と同じ日数分の飲料水を必ずセットで確保しておく必要があります。
従業員や来訪者の中には、食物アレルギーや宗教上の理由による食事制限を持つ方が一定数含まれる可能性があります。
特定原材料27品目を使用していない商品や、ハラール対応の商品も市場に流通しているため、全員が同じ品目に依存しない構成にしておくことが望ましいとされています。
停電・断水を想定した場合、加熱や加水を前提とする商品ばかりでは対応が難しくなる場面があります。
そのまま食べられる商品と、水があれば喫食できる商品、加熱調理が必要な商品をバランスよく組み合わせておくことで、被災状況に応じた柔軟な対応が可能になります。
複数のメーカー・種類の食料を揃えると、賞味期限がバラバラになり、管理が煩雑になりがちです。
特に拠点数が多い企業では、どの拠点にどの品目がいつまで保存できるのかを把握しきれず、期限切れに気づかないまま放置されるケースが後を絶ちません。
備蓄食料の賞味期限は、パッケージに記載された年数がそのまま保証されるわけではなく、高温多湿の環境で保管すると品質劣化が早まる場合があります。
直射日光を避け、温度変化の少ない室内で保管することが、表示通りの保存期間を確保するための前提条件になります。
品目・数量・賞味期限を一覧化した台帳を作成し、更新時期が近づいた品目を可視化しておくことで、担当者が変わっても管理を引き継ぎやすくなります。
表計算ソフトで品目ごとに期限を入力し、半年に一度など定期的に確認するルールを設けている企業も多く見られます。
保存期間が長い品目は据え置き型で最低限量を確保しつつ、消費機会を作りやすい品目は日常的に消費・補充するローリングストックで運用するという、両方を組み合わせたハイブリッド運用も選択肢の一つです。
ローリングストックの具体的な導入ステップについては、別記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
企業の食料備蓄は、内閣府のガイドラインや自治体条例を根拠に「3日分」を基本の目安としつつ、従業員規模に応じた必要食数を算出することが出発点になります。
あわせて、アルファ米・レトルト食品・非加熱食品といった種類ごとの特徴を理解し、水や熱源が使えない状況でも対応できる組み合わせを設計することが重要です。
さらに、アレルギー対応や賞味期限のばらつきといった見落とされやすい注意点を押さえ、期限一覧化や保管環境の管理によって、担当者が変わっても継続できる仕組みを整えることが、実効性のある食料備蓄への近道です。
Be-kanでは、アルファ米・パックご飯・レトルト食品・非加熱食品まで、企業の備蓄目的に応じた食料を幅広く取り扱っています。
従業員規模に応じた必要量の算出や、アレルギー対応品目のご相談も承っておりますので、まずは備蓄食料カテゴリページから商品ラインナップをご覧ください。
Be-kan(備館)では、企業や会社、学校といった組織における災害備蓄品の選定や、運用管理に役立つ実践的な情報を発信しています。
BCPの観点から、最低限準備しておくべき食料や非常食のリストをはじめ、ヘルメット、避難時に欠かせないリュックなどの防災用品について解説しています。
法人向けの防災グッズやセット導入のポイント、効率的な備蓄の進め方など、現場の担当者がすぐに活用できるノウハウもまとめました。組織の安全管理体制を強化し、万が一の事態に備えたい方は、Be-kan(備館)のコラムをご覧ください。
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編集者 / Be-kanネットショップ
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